みなさんは歯磨きをしている時に、このような経験をしたことはありませんか?
- 歯ブラシのプラスチック部分が、歯や歯の奥に当たる
- 歯磨きをしたが、歯の舌触りがザラザラしている
- 歯磨きをすると、よく歯肉部分から出血がある
これらに当てはまる方は自分の口内に適していない歯ブラシを使用しているのかもしれません。
合わない歯ブラシを使うと隅々まで綺麗にすることが出来ず、虫歯や歯周病になる可能性が高くなります。
また、同じ歯ブラシを長い間使用することでも、毛先の広がりや衛生面によって口内トラブルを起こす場合があります。
そうならないためにも、自分の口内に相応しい歯ブラシを選び、1ヶ月に一回のペースで歯ブラシを交換することが大切です。
学校や歯科医院で歯の磨き方を習うことはありますが、歯ブラシの選び方を教えてもらう機会はなかなか無いですよね。
今回は基本的な歯ブラシの選び方をご説明するとともに、年齢や症状に合った歯ブラシの選び方もご紹介します。
基本的な歯ブラシの選び方
自分に合わない歯ブラシを使うことで磨き残しをしてしまい、虫歯や歯周病を引き起こす場合があります。
口内トラブルを起こさないためにも、自分に合った歯ブラシを選ぶことは重要です。
この章では全ての人に共通する歯ブラシの基本的な選び方をご紹介します。
ブラシの硬さは「ふつう」がちょうど良い
歯ブラシの硬さは「ふつう」がいいとされています。
歯ブラシの硬さは、かため・ふつう・やわらかめの3種類があります。
かためブラシは、力を入れて強く磨いたり長時間磨いたりすることで、歯面に傷が付いてしまいます。その傷口からステインや雑菌が入り込むと、歯が黄ばむ恐れがあります。
やわらかめブラシは、歯茎が弱っている人や出血しやすい人に向いています。しかしブラシがやわらかいため歯垢や菌をうまく落とせず、歯石や虫歯が出来る場合があります。
ふつうブラシは上記2つの中間の硬さになるので口内の健康や清潔感を保つバランスが取れているのです。そのため「ふつう」がオススメです。
ブラシの表面はフラットタイプがオススメ
歯ブラシの表面は、真っすぐ平らな「フラットタイプ」がオススメです。
よく見かける歯ブラシの表面は、フラットタイプや山切りタイプがほとんどかと思います。
山切りタイプの方が歯間をよく磨けるイメージがありますが、ギザギザになっている分、歯面を均等に磨けていません。
また、山になっている部分が歯に押し当てられることで、毛先が潰れて使えなくなってしまいます。
一方で、フラットタイプだと平らなので歯面を均等に磨くことができ、歯間は角で磨くことが出来ます。
注意点として、フラットタイプでも力を入れて強く磨くと毛先が潰れてしまうことがあるので、優しく磨くようにしましょう。
ヘッドの大きさは自分の歯に合うものを選ぶ
ブラシのヘッド部分は、図のような植毛3列がいいとされています。
植毛の列が少ないと歯を十分に磨けず、列が多くてもブラシを清潔に保つことが出来ません。
次に、ヘッドの大きさは主にふつうサイズと小さいサイズがあります。
ふつうサイズで問題はありませんが、口内の状態によっては奥歯や細かい部分が磨きにくい方もいます。以下に当てはまる方は、小さいサイズをオススメします。
《 小さいサイズが向いている方 》
- 歯を一本一本丁寧に磨くことが出来る人
- 歯並びの状態によって歯間をうまく磨けない人
- 口の開きによって奥歯が磨きにくい人
ヘッドの大きさが合っていないと、磨き残しによって虫歯が出来てしまいます。そうならないためにも、自分に合ったヘッドの大きさを選びましょう。
年齢・症状別に相応しい歯ブラシのタイプを知る
上述で基本的な歯ブラシの選び方についてご紹介しましたが、年代や症状によって相応しい歯ブラシは異なります。
- 歯ブラシの表面は真っすぐ平らなフラットタイプ
- ブラシ部分は植毛3列
これらは全てに共通しますが、ブラシの硬さやヘッドの大きさは個々によって変わってくるため簡単にご紹介します。
自身やご家族の歯ブラシを選ぶ際は、是非ご参考にしてみてください。
歯を磨くタイミング
歯を磨くタイミングは、食後30分以内がいいとされています。
一時期、食後すぐに歯磨きをするのは良くないという説が広がりました。
なぜそのような説があったのかというと、食後の歯の表面は酸の力によって溶けた状態になっています。その状態で歯磨きをすると歯にダメージを与えると言われていました。
しかし実際のところ、溶けた歯は唾液の力によってすぐ修復されるため歯へのダメージは無く、むしろ飲食直後の歯磨きは歯学会でも推奨されているのです。
食後30分以内に歯を磨くことで、ステインによる着色や歯垢による虫歯菌の増殖を防ぐことが出来ます。
そのため、歯磨きは食後30分以内に済ませることをオススメします。
歯ブラシ以外のオーラルケア商品も使おう
歯ブラシだけでオーラルケアを終わらせていませんか?
肌に化粧水や乳液を塗るように、口内にもデンタルフロスや舌ブラシを使ったお手入れを心掛けましょう。
また、中には普通の歯ブラシと電動歯ブラシのどちらを使おうか迷っている方もいるのではないでしょうか。
この章では、歯ブラシ以外のオーラルケア商品についてご説明したいと思います。
舌ブラシは一日一回、朝に行う
毎朝の歯磨き後に舌ブラシを使いましょう。
舌を磨いて清潔な状態を保つことで、口臭や口内炎だけでなくインフルエンザの発症リスクも抑えられるのです。また、口腔機能が低下した患者には、誤嚥性肺炎の予防にもなります。
舌に白い苔状のものが付着している不衛生な状態を「舌苔(ぜったい)」と言います。
舌苔は、食事や会話をしたときに出る唾液によって細菌の増殖を抑えることが出来ますが、睡眠中は唾液の分泌量が少ないため舌苔が発生しやすいです。
そのため、一日一回、朝の歯磨き後の舌ブラシをすることを推奨します。
舌ブラシがない場合は、やわらかめの歯ブラシやガーゼを利用することもオススメです。
デンタルフロスは一日一回、夕食後に行う
夜の歯磨き後にデンタルフロスを使った歯間ケアをしましょう。
デンタルフロスは、歯ブラシでは磨けなかった歯間の歯垢を除去してくれます。
歯間に溜まった歯垢をそのままにしておくと虫歯や歯周病、口臭へと繋がります。それだけでなく、歯垢は48時間ほど放置することで歯石へと変わってしまうのです。
そうならないためにも、デンタルフロスで歯垢を除去する必要があります。
また、デンタルフロスの使用時に以下のような点があると、虫歯や歯周病の早期発見へと繋がります。
- デンタルフロスが滑らかに動かず、引っかかる感覚がある
- デンタルフロスの繊維部分が切れてしまう
- デンタルフロスが歯肉に当たると、すぐ出血してしまう
デンタルフロスは、一日一回、夕食後の歯磨き後に使用することをオススメします。
普通の歯ブラシと電動歯ブラシの違い
普通の歯ブラシによる手磨きも電動歯ブラシも、使用する人によって向き不向きがあります。
歯を一本一本丁寧に磨けている方や電動歯ブラシが扱いにくいという方は、歯ブラシを使った手磨きで十分です。
一方で電動歯ブラシは、歯磨きをしても歯の表面や裏側にザラつきが残っている方や時短で済ませたい方にオススメです。
また電動歯ブラシには種類があり、「電動歯ブラシ<音波歯ブラシ<超音波歯ブラシ」という順に振動数や振動幅が細かくなります。
しかし、電動だからといって簡単に歯磨きを済ませてしまうと、歯垢残しによって虫歯や歯周病になりかねません。
ブラシ部分が歯の一本一本にしっかり当たるように使用しましょう。
まとめ
基本とされる歯ブラシは、フラットタイプの植毛3列です。
ブラシ部分の硬さやヘッド部分の大きさは、自分の口内に相応しいタイプを選ぶことをオススメします。
歯の形成期(0~12歳)のお子様の場合、歯を強く磨いて傷が付いてしまわないように、なるべく硬めの歯ブラシは使用しないようにしましょう。
また、歯磨きを行うタイミングは食後30分以内で、歯ブラシは1ヶ月に一回のペースで交換をしましょう。
歯ブラシと併用して舌ブラシやデンタルフロスの使用をオススメします。