毎日の歯磨きで歯石を予防しよう!歯磨き粉で歯石を落とせない原因とは

歯石に悩んでいる方は多いのではないでしょうか?

歯磨き粉を使って歯磨きをしたら歯石を落とせると思いますよね。

しかし、歯磨き粉では歯石を除去することが出来ません。落とすことが出来るのは食べ残しや、やわらかい汚れ(プラーク)だけなのです。

今回は歯磨き粉で歯石を落とせない原因についてお話すると共に、歯石予防と歯磨き粉以外で歯石を落とす方法についてお話します。

歯磨き粉で歯石は落とせないが予防は出来る

歯磨き粉を使って歯磨きをしても歯石を除去することは出来ません。

そもそも、歯石とはプラーク(歯垢)と呼ばれる歯の表面に付着した汚れが石灰化し硬くなったもので、歯と歯の間や歯茎との境目に発生します。

文字通り石のように硬くなってしまうため、除去することが非常に困難です。

歯磨き粉を使い汚れと一緒落とそうとしても、歯磨き粉には歯石を分解する成分が含まれていないので除去することが出来ないのです。

しかし、歯磨き粉を使いしっかりと歯を磨くことで歯石が出来ないように予防することは出来ます。

プラークは約24時間で作られ、約48時間で歯石になります。

そのため、24時間ごとに丁寧に歯磨きをしてプラークを落とすことで歯石を予防することが出来るのです。

歯石になる48時間までに正しい歯磨きで歯石予防

歯石予防に一番重要なことはブラッシングです。

適当に磨いていたり、間違った磨き方をしているとプラークが残ってしまう可能性が高くなります。

また、使用する歯磨き粉はどんな歯磨き粉でも大丈夫です。

この章では正しい歯磨き方法を詳しくご紹介します。

歯ブラシはペンを持つように持つ

歯ブラシはペンを持つように持ちましょう。

ペンを持つようにすることで、余分な力を入れずに磨くことが出来ます。

力を入れて磨くと汚れが落ちると勘違いする方もいると思いますが、それでは毛先が寝てしまい歯に押し当てているだけの状態になってしまい汚れを落とすことが出来ません。

そのため、歯を磨く際は歯ブラシの毛先が広がらない程の軽い力で動かすことがポイントになります。

角度が重要

歯の部分によって歯ブラシの角度を変えて磨きましょう。

歯の間や歯茎との境目、噛み合わせの部分にはプラークが溜まりやすいのです。

歯と歯の間は歯ブラシの角度を45度にすることで毛先が入りやすくなります。

前歯を磨く際は、歯ブラシを横にして磨く横磨きと歯ブラシを縦にする縦磨きを併用すると汚れが落ちやすくなります。

また、5~10ミリ幅を目安に小刻みに動かし1本1本丁寧に磨きましょう。

デンタルフロスを使う

歯ブラシでは届かない歯と歯の間は、デンタルフロスを使用しましょう。

デンタルフロスとは、細いナイロン繊維から出来ている歯間のプラークなどを清掃するための細い糸のことをいいます。

歯ブラシ後のデンタルフロスの使用でプラークの除去率は約1.5倍になります。

歯石が出来たら歯科医院で歯石除去をしてもらう

歯石が気になる場合は歯科医院を受診することをおすすめします。

自分で除去することも出来ますが、歯石は非常に硬く除去するには技術がいるため、歯茎などを傷つけてしまう恐れがあります。

そのため、自分で行うよりも歯科医師に任せた方が綺麗に除去することが出来ます。

歯石除去方法は3種類あるため、この章では施術内容や費用についてご説明します。

スケーリング

スケーリングとは、歯茎から露出した部分についた比較的取ることが安易な柔らかく黄色い歯石をスケーラーという先の尖った専用の器具を用いて歯石を取ることをいいます。

スケーラーには、いくつか種類があり主に使用するものはハンドスケーラーや超音波スケーラーとなります。

多くの歯科医院では超音波スケーラーで歯石を砕きながら取り除き、細かい部分をハンドスケーラーで取り除きます。

また、歯茎が健康な人はスケーリングをしても痛みや出血が怒ることはありませんが、歯茎が炎症していると痛みや出血を伴うことがあります。

定期的に歯科除去を受けている人は、一度全ての歯石を取り除くことが出来ますが保険診療の場合は一度に全体の歯石を取ることは認められていないため、上と下の歯など複数に分けて取ります。

費用が保険診療の場合は1回1,000円前後となり、自費診療の場合は1回3,000~10,000円程度が目安となります。

SRP(スケーリング&ルートプレーニング)

SRPとはスケーリングとルートプレーニングを行うことをいいます。

ルートプレーニングとは歯周ポケットの中にある硬く黒ずんでいる歯石を取ることをいいます。

歯周ポケットの中の歯石を取ることは強い痛みを伴うので、表面麻酔か痛みに弱い方や歯周ポケットが深い方は注射の麻酔をしてから行います。

患者の負担を考慮すると1度の施術で行える部位は1~4本程度となります。

麻酔が効いている間は痛みはほぼ感じませんが、麻酔が切れると歯肉に痛みがあるため広範囲では行えないのです。

通常は6部位に分けて施術を行いますが、本数や状態によって施術回数は前後します。

費用は保険診療で1本200円前後、自費診療は1時間で10,000円前後が目安となります。

フラップ手術

フラップ手術とは歯周外科治療の一つです。

歯の根の奥深くに歯石がつき、歯周病を進行させてしまっている場合に行います。

ルートプレーニングでは歯石を取ることが出来ないため、歯茎を切り開き歯周ポケット内を目視しながらプラークや歯石を取り除いていきます。

費用は保険診療で1本2,000円前後、自費診療で50,000~100,000円が目安となります。

まとめ

歯磨き粉で歯石を取ることは出来ませんが、プラークを除去することで予防は可能です。

歯石は放置してしまうと石のようにどんどん硬くなってしまいますが、歯石になる前のプラークは柔らかく簡単に落とすことが出来ます。

ご紹介した正しい歯磨きの方法で、プラークの磨き残しがないようにしっかりと磨きましょう。

出来てしまった歯石は自分で取るのではなく、必ず歯科医院で歯石除去をしてもらってください。

歯石除去は痛みを伴いますが、しっかりと取り除くことで口臭予防や歯周病予防にも繋がります。